単行本「日本酒に恋して」好評発売中! よろしくお願いします。
●教えて麻里絵さん 拡大版
◎オススメのお酒
影裏(えいり)
純米酒 黒ラベル(左)
醸造元/株式会社南部美人(岩手県)
「影裏」は芥川賞を受賞した岩手を舞台にした小説のタイトル。作中では南部美人も
登場するため、来年2月の映画化を記念してお酒が造られました。
香りが強いため甘く感じられるかもしれませんが、辛口に仕上げられたお酒です。
純米酒 白ラベル(右)
醸造元/株式会社わしの尾(岩手県)
文政12年(1829年)創業の岩手で愛される歴史ある蔵が造ったお酒です。
香り甘み旨み酸味のバランスが絶妙で、飲み口もキレがあり全体のまとまりが
凄いお酒です。どんな料理にも合わせられる万能な感じがします。
麻里絵ポイント●
南部美人
「大事に大事に飲みたいなぁ」という印象のこちら。蜜がぎっしりと詰まった林檎の
甘やかな香りのあとから新緑の爽やかな香りが押し寄せてきます。口に含むとコロコロと
金平糖のような甘みが口の中で転がり、少しくすぐったいような心地良さを感じます。
幾度となくピンク色、黄色、緑色がキラキラと共鳴し合うようなキュートな味わいながらアフターで
儚く消えていく引き際は岩手県を代表する酒蔵の風格を感じます。冷たくして飲むのがおすすめ。
わしの尾
思わずお腹が鳴ってしまうお酒。酒呑み泣かせのこちらはカメレオンの如く、冷たい時は青リンゴ、
常温では白キャラメル、温めるとお米のホクホク感と様々な香りの表情を現します。
米由来の舌にまとわりつく甘みと旨みがあとを引き、肴をつままずにはいられません。
郷土料理のすいとんが久しぶりに食べたくなりました。冷たいのから燗酒まで、どの温度帯でも
楽しいのでぜひ皆さんの好みを探してみてください。
■映画「影裏」
お酒と映画の詳しい情報はこちらをご覧ください。
◎オススメの飲食店
「いと。スタンド」
目黒駅から権之助坂を下って3分ほどの駅近にあるお店。2017年にオープンした
立ち飲みで、コの字型カウンターのみの日本酒バルです。
日本酒専門ではありますがビールもハイボールも、サワーも飲める自由度が高いお店で
おつまみはあらかた税抜き500円(750円の物も一部有り)。日本酒は常時20種以上の揃いです。
ちょこっと飲みもゆったり長居も両方楽しめる雰囲気のいい店内は明るく、大きな
硝子戸から目黒の街が見渡せます。カウンター特有のコミュニケーションを取りながらの
接客が心地よく、常連と新規のお客さんの分け隔てが無いところが人気の秘密です。
地方在住の常連様がたくさんいらっしゃいます。きっと忘れられないお店なのでしょう。
■左から とりハム、鶏出汁塩おでん、大根と竹の子のひき肉あんかけ。
秘密と言えば、「いと。」代表の今野氏はお客様と従業員が共に笑顔で過ごせる空間を
作ろうとした時、接客を重視するとカウンターの日本酒ガチの店になるんですよと
聞かせてくれました。そして今野氏は歩くパワースポットのような人で、お客さんの喜びを
第一に考えた店に集まったスタッフは、さながらEXILEの一族のようです。
この店を目指して来店するのではなく、近くに来た時は寄るべきお店という感じです。
もし満員でも大丈夫。近くに「いと。」のお店が他に3軒あって一族がお待ちしています。
店長 中嶋明日美
麻里絵ポイント●
日本酒をちょっと軽く飲みたいなぁって時に絶妙な距離間と、ホッとする軽いおつまみがある
お店をご紹介します。目黒駅からほんの少し歩いて坂を下ったところに
小さな小さな立飲みの日本酒を扱うお店。こちらの日本酒バル いと。スタンドさんは
お客様がぎゅうぎゅうと入って15人でいっぱいでしょうか。こぢんまりとしたお店なのですが
あの空間をつくっている店長のセンスなんでしょうね、狭いのに圧迫感がなく優しい楽しい
空間に仕上がっています。日本酒以外にもサワーがあったりするので、なんでもありっていう解放感も
相まって良い意味で気が抜ける時間を過ごせます。時に燗酒も。お腹が空いたら簡単なアテも出てくる
といった抜け感がたまらなく良く、家から近いこともありますが時間があれば通ってます。
夜中までやっているのでお仕事が遅い方も軽く、一杯やって帰るってのにオススメです。
■この日選んでもらった日本酒たち。
●目黒 日本酒バル いと。スタンド
〒153-0063 東京都目黒区目黒1−4−12
電話:03-6420-0567
営業時間 17:30~26:00 日曜定休