作・千葉麻里絵  絵・目白花子
第036話 │ 2019.1.3 (Thu)

教えて麻里絵さん 拡大版 その9

単行本「日本酒に恋して」好評発売中! よろしくお願いします。

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●教えて麻里絵さん 拡大版

 
 

◎オススメのお酒

 

「小嶋屋 無題 弐ノ樽」

醸造元/株式会社小嶋総本店(山形県)

 

樽貯蔵した純米大吟醸を発酵中のお酒に加えたりする、ちょっと複雑な造りをしている

低アルコール(13度)のお酒です。蔵元の「伝統は自由で多様だ」との言葉通りに新しい

魅力が発見出来る新感覚の日本酒です。酸味にも似た杉樽の香味が一瞬口の中に広がり、

すぐ米の味に変わります。その後ゆっくり静かにキレていきます。優しいお酒です。

 

麻里絵ポイント● 実力派の新ブランドです。一口目は身体にすーっと入ってきます。

流石のバランス感覚だなという印象です。さて、二口目は…

高級感のあるミルクキャラメルを丁寧に包んである紙をむきながら味わったときに、

口の中で静かに溶けてく感触の様!? ラベルの見た目からボトルのフォルム、味わいまでがしっかりと

計算されたクリエイティブなお酒です。このシルキーな甘みには、ちょっと苦味のアクセントとして山菜や

野菜のグリーンのソースと合わせて、計算外の組合せを楽しんでいただきたいです。

   
 

◎オススメの飲食店

「JOE’SMAN2号」(ジョーズマンニゴウ)

 

三軒茶屋駅から約5分ほどの魚と酒にこだわったお店です。

以前は福島県双葉市に店を構えていましたが、震災で帰還困難地域に指定されたため

2014年にここへ移転して2号として復活しました。今では人気のお店です。

 

燗酒のうまさは日本屈指ともいわれ、遠方からも多くのお客様や食のプロなども訪れます。

コースで楽しむお酒のペアリングは魚料理ということもあり飲み飽きず、

飲み疲れもしません。冷酒・燗酒・日本ワインなど多彩に提供されるお酒は面白み満載です。

なかでも熱燗は最強で、料理を食べてから追いかけるように飲むと至福の喜びを得られます。

定番料理は生で食べられる魚を串焼きにする魚串。黒ごまでコーティングされた

魚とフォアグラのなめろうは日本酒との相性が抜群です。

店内の壁には福島時代の店頭の写真が飾られていて、お客様とスタッフを見守っています。

 

●麻里絵さんのワンポイント

飲み手の楽しみを広げてくれるお店。私は疲れた時とか、ホッと一息したい時の仕事終わりに行きます。

 

お酒の造り手の表現が色々あるように、飲食店のサービスの表現も店の数だけあります。

このジョーさんのお店はお酒単独でのものの見方をせず、料理とお酒の食べ合わせで表現をしています。

また燗酒の妙技が素晴らしく、まるで音楽のように温度のチューニングでノイズをつけたり時には

緩やかに・・・自由自在に気持ちの良い食とお酒の表現で空間を作りあげます。謙虚なジョーさんを

ツマミにしながら飲むお酒もまた格別です。このお店、夜中は同業者が多く色んな話ができます。

   

代表 髙崎 丈

●JOE’SMAN2号

 

※2021年1月閉店しました。

 

※髙崎さんの新しいお店はこちらです。

   

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