つづきのエピソードは、
発売中の単行本「日本酒に恋して」で!
●教えて麻里絵さん
小林さんと鳳凰美田
日本酒業界の右も左も分からない私に、鳳凰美田の酒造りを見せていただき
感謝しております。心がざわつきました。
この透明な液体が出来る瞬間のために、人がこんなにも緊張感と愛情を持って
お酒を造っているんだなということを、たった1日で知り。
感銘を受けたのを今でも憶えています。
それから私は、日本酒をとことん勉強し日本酒と、とことん向き合いました。
そんな時、小林さんは酒造りは1人では出来ないこと、チームとして造ることが
大事なこと、自分自身を磨くこと、人に感謝をすることを何年もかけて私に教えて
くれました。日本酒のことしか見ないで突っ走っていた私に酒造り以外のことを
沢山教えてくれました。こんどは自分磨きをしようと思いました。
今の時代、仕事は見て感じて技を盗みなさいという第六感を磨くことが大事だという
昔ながらの職人のような考えは少なくなりました。言葉でどうしてこれをするか、
丁寧に順を追って説明するのが当たり前だというのが普通です。それはいい反面、
パッと感じて臨機応変に動く能力が欠落しているように感じています。
小林さんは現場ではとても厳しいです。この漫画で伝えたことは、ほんの一瞬の事に
すぎません。小林さんから学んだことは言葉で叱られて気付いたこともありますが、
感じて欲しいという言葉では得られないことをたくさん私に体験として与えてくれました。
知ることの大切さを教えてくれた小林さんという人間は誰よりも厳しく、誰よりも
とても優しい人間なのです。不器用な、お父さん的存在で尊敬しています。
困った時は飛んで来てくれましたね。
私はそれを知っているので、小林正樹という人間が大好きなのです。